ぐるぐるぐるるどかーん

(水無月十三日)

 先週末、花火大会に出かけた。
 ふと花火が見たくなったからだ。

 2歳児と0歳児を連れて、最寄りの駅は恐るべき大混雑で、長男を抱いた妻と、長女&ベビーカーを抱えた私は引き離され、改札を抜けて外へ出るまでが大仕事であったが、そのあとは人の大波に揺られるまま歩き、無事に会場へと辿り着いた。

 よく見えるであろう場所を何とか確保しつつ、弁当を食べつつ、打ち上げのときを待つ。まだ幼い長女はおとなしいが、長男はにこにことおにぎりを頬張ってご機嫌である。

 んが。

 しゅるしゅるしゅるしゅるどーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!
 うぉー、ぱちぱちぱち。

 一発目が盛大に打ちあがり、うっすら月も見えた夜空に大輪が咲いたとき、その音にびびって大泣きを始めるやつがいた。

 がびーん。

 妻は、そういう可能性もあると予想していたらしい。私は心の準備不足であった。間違いなく彼ははしゃぎ喜ぶと信じていたのだが、その期待は淡くも脆くも崩れ去った。

「帰りたい!!」

 去年の今頃まで、彼は人見知りが激しく、誰かが家に来るたびに、大泣きして私か妻の懐にもぐりこんで、とにかく泣きじゃくるということがよくあった。久しぶりに、そんな拒絶反応を見せた。とにかく花火の音が怖いらしく、まったくのまったく花火を見ようとしなかった。

 ちなみに一方の長女は、ときおり大きな音にびくっと大きな目をよりまん丸に見開いて驚きを表現していたが、泣くことはなく、じっと花火を見つめていた。特に恐怖を感じてはいないようだった。

 結局1時間ほどの花火の間、私は何度か長男を抱き、花火が見えない場所、音が多少は小さく聞こえる場所に避難し、道路を走る車を見せて彼の気を紛らすなどして、どうにかなだめるということを、繰り返すことになった。

 帰り道、「花火楽しかった?」と強引に尋ねたが、彼の顔はうかなかった。
 でも、「きれいだったな」と訊くと、いちおう「きれいだったな」と殊勝にも答える。

 もし来年も花火大会に出かけたとしたら、今度はちゃんと楽しめるだろうか?
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