日本は歴史観を「Change」できるか?

(神無月十四日)

 元・航空幕僚長、田母神氏の論文投稿が波紋を呼んでいる。今日は、参院外交防衛委員会に参考人招致され、各マスコミも大きく報じているようだ。

 論点は大きく分けて3つあるように思われる。1つは、文民統制の問題。すなわち政府見解と異なることを、自衛隊のトップ(軍人)が口にしてよいのかという問題。2つ目は、これについての、「定年退職」という防衛省の処分が適切であったのかという問題。そして3つ目が、そもそも田母神氏が論文で問題提起した「日本は侵略国家であったのか」という問題だ。

 新聞やテレビのニュースをざっと観ていると、1点目や2点目に付いての論議が多い。これに対して田母神氏は、あくまで3点目の話をしたくて、自ら参考人招致にも応じたような印象がある。どうにもすれ違っているような気がするのだ。

「そりゃ、言論の自由はありますよ、誰であろうと、日本人であれば、言論の自由はあります。当然です。表現の自由、思想・信条の自由これは、みんなあります。当然のことです。ただ、これを文民統制というのをやっている日本の中において、幕僚長というしかるべき立場にいる人の発言としては不適切。それがすべてです」

 麻生総理の言葉である。

 あるいは、田母神氏は、懲戒処分の手続きの一つである「審理」の場で、「議論したい」との意向を示したが、防衛省は「時間がかかる」として処分手続きに入らないまま、定年退職とした、との報道もある。

 政府見解(あるいは村山談話)から逸脱している、日本の「侵略戦争」を美化するとんでもない内容だ、という断定調の批判はあっても、この問題を今一度深く考えてみよう、歴史観・国家観について、再度検証してみようという話には、今のところなっていない。検証することすら「悪」なのか、はたまた「触れたくない問題」なのか……。

 日本が戦争で負けて、アメリカ(GHQ)に占領されて、63年。

 田母神論文は、中国や韓国との外交関係を損なうのではないかという懸念も出ているようだが、あるいはネット言論の中には中韓を逆に非難するような意見も多いようだが、これもまた、要点がずれているのではないかと思う。

 もし、日本が本気で歴史観・国家観の検証を行おうとするなら、対立する相手は、中国や韓国ではない。ベトナムやマレーシアなど他のアジア諸国でもない。日本が主に戦った相手は、イギリスであり、フランスであり、そしてアメリカであるからだ。

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