オバマで世界は本当に変わるか?

(神無月八日)

 「チェンジ」を掲げたバラク・オバマ氏が、アメリカ大統領選挙に圧勝し、初の黒人系大統領となることが決まった。

 これは、本気ですごいことだと思う。

 事前にオバマが有利だと言われていた。圧倒的な支持を集めていると言われていた。アメリカ国内だけではない。オバマの父の祖国ケニアでも、少年時代を過ごしたインドネシアでも、そして混乱続く中東パレスチナでも。あらゆる国と地域でオバマ支持がマケイン支持を凌駕していると言われていた。

 まさしく、世界がオバマを待っていたのかもしれない。

 オバマのルーツの1つであるケニアで、かつて私は1人の黒人青年に出会った。タンザニアに向かう途中の田舎町で、私を日本人だと知って、不意に話しかけてきた彼は、「俺はイギリスが嫌いだ、ケニアを植民地にしたからな。いつか復讐してやるんだ」と、断固たる口調で言った。

 私はとても驚いた。似たような台詞を、アラブの人々からは何度も耳にしたことがあった。対して黒人たちは、どうしても劣等感が強く、これをひっくり返すような強烈なエネルギーを感じることが、ほとんどなかったからだ。

 私が世界各地を転々として、最も強く感じたことの1つは、世界は欧米、とりわけアングロサクソンが覇権を握っているということだ。ドルが基軸通貨であり、英語が国際共通語となっているのは、その証左であり、産業革命以来、2度の世界大戦を経ての、歴史の流れだ。(その流れに、最も刃向かったのは、日本かもしれないが、今ではすっかり牙を抜かれ、去勢された状態である)

 その覇権の頂点に立つアメリカの大統領といえば、文句なしに、世界のトップだ。その世界のトップに、白人ではなく、黒人が座るというのは、繰り返しになるが、本当にものすごいことだと思う。

 オバマは、人種や肌の色の対立を越え、1つのアメリカを訴えて当選した。彼自身が、今まで虐げられ続けてきた黒人(あるいは非白人)の悔しさを代弁することは、敢えてしないだろうけれど、これを期待する人は、世界中に多数いるだろう。オセロに喩えるなら、圧倒的に白有利で進んでいた盤面が、ここに来て隅に黒が入った状況だ。

 「いつか復讐してやる」と宣言した彼は、今日どんな思いで、オバマ勝利のニュースを聞いただろうか。

 イラク戦争の失敗と、昨今の金融危機で、すでにアメリカの覇権はだいぶ傾いているとも言われている。対して、中国や、インドや、アラブなど、新興国の台頭は著しい。このアメリカにとっての「衰退期」に大統領に就任するオバマは、貧乏籤ではないかという話もあるようだが、その上でなお、彼の登場が、世界の「序列」を良い意味で崩すきっかけになるのではないか。

 そう思う。
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